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2025.05.12

クリニック設計時のポイントと患者様満足度を高める方法

クリニックの設計について理解を深めることは、患者様にとって快適で安心できる空間を提供するために重要です。新たに病院やクリニックの開業を考えている方や既存の医療施設のリニューアル・リノベーションを検討している方々が抱える疑問として、「どんなレイアウトが最も効果的か」「法規制にはどう対応すればよいか」といった点があります。

本記事では、これらの悩みに寄り添いつつ、わかりやすく解説します。

患者様目線で動線やプライバシー保護を重視した設計から、高齢者への配慮や感染症対策まで、多角的にアプローチしながら患者様の満足度向上につながる方法をご紹介します。この情報を活用することで、安全性と利便性を兼ね備えた理想的なクリニックづくりへ一歩踏み出していただけますと幸いです。

 

クリニック設計の基本ポイント

クリニック設計は、患者様の快適さと効率的な運営を両立するために重要です。まず、動線設計では患者様がスムーズに移動でき、快適に過ごしていただくことが求められます。また、プライバシー保護も欠かせない要素であり、診察室や待合室の配置には細心の注意が必要です。これらの基本ポイントを押さえた設計によって、安全で安心感のある空間作りが実現できます。

 

患者様目線で考える動線設計

クリニックの設計において、患者様目線で考える動線設計は非常に重要です。来院者がスムーズに移動できるようなレイアウトを心掛けることで、ストレスフリーな環境を提供できます。

まず受付から診察室までの道筋は直感的でわかりやすくすることが求められます。また、待合スペースと診療エリアとの距離感も大切です。プライバシーを守りつつ、不安なく過ごせる空間作りもポイントとなります。そして、各部屋へのアクセスには視覚的なサインや案内表示を活用し、迷うことなく目的地へ到達できるような工夫が必要です。

このように細部まで配慮された設計によって患者様の満足度は向上します。さらに、安全性への配慮は信頼感につながりますので、防災設備や緊急時対応策もしっかり整備しておきましょう。

 

患者様ファーストのプライバシー保護

クリニックの設計において、患者様のプライバシーを守ることは非常に重要です。診察室やカウンセリングルームでは、音漏れ防止対策として遮音性の高い壁材やドアを使用することで安心感が生まれます。また、待合スペースから直接見えない位置に配置するなど視覚的な配慮も欠かせません。さらに、受付での個人情報保護にはパーティションを活用し、他者との距離感を適切に保つ工夫なども考えられます。

このような細部への気遣いによって信頼関係が築かれるとともに、安全で快適な空間作りにつながります。そして、クリニックに特有なものではありませんが、防犯カメラや施錠設備など安全面にも十分配慮した環境整備も必要となります。

これらすべてが一体となったデザインこそが患者満足度向上へと導く鍵となります。

 

患者様の満足度を高めるためのクリニック設計

クリニック設計において、患者様の満足度を高めるための配慮は他にもあります。

特に、高齢者や身体障碍者にも優しいバリアフリー設計は重要であり、高齢者や身体障碍者の方々が安全かつ快適に移動できるような動線は忘れずに確保するようにしましょう。また、感染症対策も欠かせない要素となっております。空気清浄システムや手指消毒設備の充実なども検討していきましょう。このような工夫によって、患者様誰もが安心して利用できる環境を提供し、多くの患者様から信頼されるクリニック作りを目指しましょう。

 

高齢者や身体障碍者にも配慮した設計

クリニックの設計においては、高齢者や身体障碍者の方々が安心・安全に利用できる環境を整えることも重要です。私たちが普段の生活では気にならないことでも、大きな障害となっているケースもありますので、特にきめ細やかな配慮が必要となります。

バリアフリーな動線を確保するためには、段差のない床面や広めの通路幅を設定し、車椅子でもスムーズに移動できるよう工夫することも必要でしょう。また、場合によっては自動ドアやエレベーターなども設置し、安全性と利便性を兼ね備えた設備選びが求められます。

視覚的にもわかりやすいサイン表示や案内板を配置することで、不安なく施設内を移動できるようにもなります。

待合室では、高齢者向けに座り心地の良い椅子や手すり付きのソファーなど、長時間滞在しても疲れない家具選定も大切です。

このような細部まで行き届いた設計によって、多様な患者様層から信頼されるクリニックとなります。

 

感染症対策を意識した設計

クリニックの設計において、感染症対策は患者様とスタッフ双方の安全を守るために欠かせません。

まず、空気清浄機や換気システムを導入し、院内の空気環境を常にクリーンな状態に保つことが重要です。また、受付カウンターにはアクリル板などで仕切りを設けることで飛沫感染リスクを低減できます。今や特別なとこではありませんが、手指消毒用アルコールディスペンサーを各所に配置し、来院者様全員が利用できるような配慮も必要です。さらに待合室では可能な限り座席間隔を広く取り、他の患者様との接触機会を最小限に抑える工夫が求められます。

この他にも非接触型体温計による検温やオンライン予約システムの活用など、新しい生活様式への対応も考慮しましょう。これらの施策によって安心して通える医療施設として信頼され、多くの人々から選ばれる存在になるでしょう。

 

クリニック特有の設計における法規制

クリニックの設計には、一般的な建築物とは異なる特有の法規制が存在します。これらは患者様や医療従事者の安全を確保し、効率的で快適な診療環境を提供するために必要です。

まず、建築基準法では耐震性や防火性能など、安全面で厳しい基準が求められます。また、医療法によっては診察室や待合室の配置、人員動線なども細かく規定されており、それぞれの法律に則った設計が不可欠です。

このような法規制を理解し遵守することが、高品質なクリニック設計への第一歩となります。

 

クリニック設計における建築基準法のポイント

クリニック設計においては、建築基準法の遵守が不可欠です。

まず、建設予定地の用途地域を確認し、クリニックとして建築可能かを判断します。特に入院設備の有無により「診療所」と「病院」で扱いが異なり、建築できる地域や構造基準に影響を与えます。また、採光・換気・天井の高さなどの居室基準も重要で、診察室や待合室には十分な自然採光・換気が求められています。さらに、バリアフリー対応や避難経路の確保など、患者様の安全・利便性に配慮した設計も求められます。

既存建物を用途変更する場合は、確認申請が必要になるケースもあるため注意が必要です。建築基準法に加え、医療法や消防法、バリアフリー法との整合も重要となりますので、これらを踏まえて設計を進め法令に適合した安心・安全なクリニックを実現しましょう。

 

クリニック設計における医療法のポイント

クリニック設計を行う際には、建築基準法に加えて医療法の遵守も忘れてはいけません。

医療法では、診療所の構造設備基準が定められており、適切な診療環境を確保することが求められます。

主なポイントとして、診察室や待合室の設置、診療科目に応じた設備の配置が挙げられます。また、感染対策として、動線分離(患者様・スタッフなどの流れを分ける)や換気計画の整備も求められる場合があります。さらに、プライバシー確保の観点から、診察室と待合スペースの遮音性や視線対策も重要です。手術や処置を行う場合は、より厳格な設備基準が適用されるため、計画段階から医師や行政との協議が必要です。医療法に基づいた設計は、患者様の安心感を高めるだけでなく、円滑な診療運営にもつながります。

法的要件を十分に理解した上で、快適で機能的なクリニックづくりを目指しましょう。

 

クリニック設計に関わる建築基準法、医療法以外の法規制

クリニック設計においては、建築基準法や医療法だけでなく、他のさまざまな法規制も考慮する必要があります。特に重要なのが消防法とバリアフリー法です。これらの法律は、安全性を確保しつつ患者様やスタッフが快適に利用できる空間を作り出すための指針となります。消防法では火災時の避難経路や消火設備について詳細な規定があり、バリアフリー法では高齢者や障害者にも配慮した施設設計が求められます。

それぞれのポイントを押さえることで、より安全で使いやすいクリニック環境を実現できます。

 

クリニック設計における消防法と安全対策のポイント

クリニックの設計においては、患者様とスタッフの安全を確保するために消防法や関連する安全対策が重要となります。

まず、避難経路の明示とその確保が求められます。非常口は分かりやすい位置に配置し、障害物なく迅速な避難が可能であることが必要です。また、防火設備としてスプリンクラーシステムや消火器の適切な配置も欠かせません。これらは定期的な点検とメンテナンスによって常時機能する状態を維持します。

さらに、安全性向上には耐震構造も考慮されるべきです。地震発生時にも建物内外への被害を最小限に抑える工夫が施されていることが望ましいでしょう。

このような配慮が安心感を提供しつつ、高品質な医療サービス環境づくりにつながります。

 

クリニック設計におけるバリアフリー法のポイント

バリアフリー法に沿ったクリニック設計は患者様の満足度向上に直結します。

まず、車椅子やベビーカーがスムーズに移動できるような広い通路と段差のない床面が求められます。これらは高齢者や身体障害者の方々だけでなく、小さなお子様連れの方にも配慮した環境づくりにつながります。

さらに、視覚障害者への対応として点字案内板や音声ガイドシステムを導入することで、多様なニーズに応えることも可能になります。このような工夫によって誰もが安心して利用できる空間を提供し、地域社会から信頼される医療施設となることができるでしょう。

そして、この取り組みはスタッフの働きやすさにも寄与し、結果的にはサービス全体の質向上へとつながるのではないでしょうか。

 

開業前に知っておきたい物件選びと工事手続き

クリニックの開業を考える際は、物件選びと工事手続きについても理解しておきましょう。

適切な物件を選ぶためには、建築基準法や地域の条例に精通した建築士による専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。また、工事開始から完了までの流れも理解しておく必要があります。特に検査内容については、安全性や機能性を確保するためにも詳細に理解しておくべきでしょう。

このセクションでは、これらのポイントについて詳しく解説します。

 

適切な物件選定と建築士によるアドバイス

クリニックの開業においてまず考慮すべきは、その土地や建物が医療施設として使用可能かどうかという点です。用途地域によっては、特定の業種でしか利用できない場合がありますので、事前に確認することが必要です。

また、既存の建物を改装してクリニックとする場合には、その構造や設備が法的基準を満たしているかもチェックポイントとなります。この際に専門知識を持つ建築士からアドバイスを受けることで、安全性や機能性だけでなくコスト面でも最適化されたプランニングを受けることが可能になります。そのため、初期段階からクリニック設計の事例・実績があるプロフェッショナルとの連携を図りながら進めることが成功への鍵と言えるでしょう。

 

工事開始から完了までの流れと検査内容

クリニックの開業を検討する際は、工事開始から完了までの流れも理解しておきましょう。

まず、建築基準法を遵守した詳細な設計図面が必要となります。この段階では、建築士など専門家が、安全性や機能性を考慮したプランニングを行います。その後、施工業者との契約締結が進みます。着工前には確認申請手続きを経て許可を取得することが求められます。

また、工事中は工事検査を実施することで誤った施工が行われていないかを確認します。工事検査の実施により、クリニック完成後に欠陥が発見された場合のクリニック運営や修繕費用に関わるリスクも回避することにつながります。

そして最終的には竣工検査があります。この際、不備なく全ての要件を満たしているかどうかが厳密にチェックされます。不合格の場合は是正措置が必要になりますので注意が必要です。

これら一連のプロセスを円滑に進めるためにも、初期段階から綿密な計画と関係者間での緊密なコミュニケーションが鍵となるのです。

 

まとめ

ご紹介してきました通り、クリニックの設計は法律を遵守することはもちろんですが、それ以上に長期的なメリットを考慮した経営視点が求められます。適切な法律順守によってトラブルのリスクが大幅に減少し、さらには患者様やスタッフの安全・安心感にもつながります。その結果として良い口コミの増加による新規患者様獲得など経営面にも大きなメリットが生まれます。

また、将来的な拡張やリフォーム・リノベーションを考えた時にも、スムーズに対応できる柔軟性をもち続けるためのしっかりとした土台作りが不可欠となります。

このように考えると、一見手間と思われる法律やさまざまな決まり事への対応も、実際には多くの利点を提供するものとなっています。

患者様の満足度が高い、理想のクリニック設計のヒントになりましたら幸いです。

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